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2014年11月3日月曜日

contarex distagon 35m f4 (circa 1958-1964) 実写編 その一


 実は、饕餮は以前、ツァイスの信奉者でありました。理由は、仕事でも使えるから。ここ一番の時にも、レンズに由来する失敗がないから。

 ですから、最初は、c/y contax をコンプリートしよう! などと考えて、記念モデル以外は一応制覇し(コレクターなので)、そこで満足しておりました。もちろん、撮影に使うなどという愚かなことはしておりません(数寄者なので)。

 先日、国内のオークションで、contax 18mm 等という出物を見て、昔の血が騒ぎました。ああ、これはもう買わないと、と思った次の瞬間、「いや待て、持っているのでは?」と気づいて、チェックすると既に所有。馬鹿ですね。

 そんなこともあり、しばらくは c/y contax でも取り上げようかと思った矢先、そのレンズをマウント・アダプターに嵌めたら、外れなくなり、あえなく入院、となりました(こちらのミスです)。

 仕方ないので、もう標準レンズには飽きたし、schacht にも食傷気味(本まで買ったのに)、schneider-kreuznach はしばらくは敬して遠ざけたい、という感じで、リクエストも多い、contarex distagon 35mm f4 です。

 とはいえ、饕餮はロケハンには絶対に出ません。旅に行けば、その地を撮る、というだけのことで、今回も、自宅の周囲、あるいは職場の敷地内をうろうろするだけです。

クラシック・カメラ専科 No.43 P108 より、レンズ構成図

 構成図を見ても、饕餮には何もわかりません。同時期にみた、contax の構成図に比べると、とても単純、としか。教えて、だれか詳しい人(笑)! 


 先日、A.W.B.のことを考えていたのですが、普通は、デフォルトの設定で良いか、と。しかしこの作例は、イメージ・サークル中央の赤い木の実の色を撮りたかったので、測光範囲はピン・スポットにしてあります。


 青葉茂っていたころには、わからなかった造形があるのですね。


 朝日はいいなあ。


 逆光の落ち葉。雨上がり。


 太陽の方向を向いています。


 夏の名残、みたいな花。


 先日、植え替えられた植栽。まだ根付いておりません。


この銀鏡胴の個体は、25cm位までは寄れます。


 しめchang。なんだか、馬鹿面(失敬)。


 お隣の、いつも気になる植物。白っぽいんです。


 近所のホーム・センターへお散歩(犬の。僕は付き添いです)。野川の流れを順光で。春は、桜の名所であります。

 ああ、これが僕が求めていた写り……(?)。これは、言葉にはできません。

 ワインの評論家の言葉遊び、あるいは美術館の凡庸な学芸員の印象批評、そんなものは、塵芥に等しい。批評には、批判が含意されていなくてはならないことが、なぜわからないのでしょうか。

 ですから、ここにおいては、ただ、「物をして語らしめよ」で十分でしょう。はは、また嫌われてしまいますね。


 路傍に小花あり。


 もう、お正月のお飾りですか? 


 透明な、若葉なんです。






 昔、贔屓にしていた中華のお店。


 昔通っていた、居酒屋。


 曇天下の水路。もう、子供たちの姿もなく。


 こ、これは……! すごいなあ。すごすぎます。色が、目に刺さる。


 ツァイスは、良いなあ。「最強の35㎜は、contarexのそれである」という言葉もよく目にしますが、世界中の35ミリを制覇したわけではないので、比較はできません。

 しかし、うん、このレンズは好きです。透明感の中に、色がはっきりと自己主張しているような印象もあります。

 重いのが玉に瑕、ですけど。





2014年11月1日土曜日

schneider-kreuznach xenar 50mm f2.8 と、auto white balance の問題。




 忙中閑ありで、イベントの最中にボーとしていたら、ふと、昔のことが思い起こされました。

 饕餮は、昔々、大抵は写場で撮影をしていましたが、その頃、エクタクロームのタングステン(tungsten=白熱電球)のフィルムが主で、会場で撮影するときも、光が白熱灯がメインでしかたら、そのままのフィルムで出かけていました。一転、外光で撮影するとき、あるいは青く塗ったレフランプでスタジオ撮影するときは、day light のフィルムを詰めて出かけていたのです。

 それで、恐らく10年くらい前に、nikon のD70を購入したとき、敬愛する故Tさんと同じタイミングで買ったのですが、二人で、子供でも撮れる高級カメラだなあ、なんて笑っていたのが思い出されます。

 しかし。そのころから、写真はカメラ任せになったようです。A.W.B.に頼り、オート・フォーカスに任せ、考えることがなくなった。でも、それでよかったでしょうか? 現代のデジカメにも、色々と工夫できる部分があるのでは?

 そう思いついて、ふと前を見ると、前日ビデオ撮影に使った、頑丈なジッツォがある。それで横を見ると、半ば干上がった池、という格好の被写体もある。この時間は、僕にはあまりやるべきことがない……。

 ということで、窓ガラス越しに、カラー・バランスの設定を変えて外を撮影してみました。上から、A.W.B.、day light、日蔭、曇り、tungstenの順です。




友よ、これがschneider blue だ(嘘)

 うーん……。目で見た感じに一番近いのは、day light でしょうか。また、青に転ぶ感じがあるのは、A.W.B.でしょうか。

 事前の予想では、昔のように、day light に設定したほうが、素直にレンズの特徴が出るのでは、と思っていたのですが、A.W.B.が、「言われている」schneider の「特徴」に近いのでは?

 しかし、ちょっと待ちたい。「レンズの言われている特徴」とは、なんだろう? schneider の場合、ときには schneider blue ともいわれる、青みがかった色合い、という論が流布しているが、本当にそうなのだろうか? 他の方々が言っているレンズの特徴を再現するために、そのレンズを購うのは、実は少々、安易な行為なのではないのか(自戒を込めつつ)?

 もちろん、慎重な方は、銀塩カメラで、フィルムの種類も変えて撮影し、それを分析することで、(銀塩時代の)レンズの特徴を言い表しているのだが。そして、デジタルでも、その傾向が読み取れたら、それがレンズの特徴と言ってもよいのであろう。

 A.W.B.は、僕にとって、一つのブラック・ボックスである。メーカー別に、色合いが異なる。先日も、某放送局の人から、「これはソニーの絵だね」と一言で言い当てられてしまった。だから、上の写真だけでは何とも言えない。

 では、今度は角度を変えて。順番は、上のシリーズと一緒です。






 う……。結果は同じか。

 純粋に文系の人間の勝手な推測ですが、デジタル・カメラのA.W.B.の場合、レンズを通った光をカメラが判断し、上の作例のように、「これはday light」、「これは tungsten」、というように大まかな区分けをせず、もっと微妙な段階で補正しているのではないか、と思う。しかも、この作例は、マルチ測光で撮影したものであり、もしかしたら部分部分で、カラー・バランスを変えているのでは? しかし、だとしたら、レンズの「雑味」は補正され、特徴が消されて然るべきなのでは?

 でも、銀塩写真でも、A.W.B.使用時と同様、あるいは(大抵は)もっと強烈にレンズの個性が出てくる、というのはなぜだろう(独白)。それは、銀塩の場合、レンズの硝材、コーティングがストレートに反映されるのであろうが、ではなぜ、A.W.B.は、銀塩の場合と似た色合いが再現されるのか。

 わからない。もしかしたら、A.W.B.には、非常に高度なアルゴリズム等が組み込まれているとか?

 そんな状態ですが、饕餮は実は頑固なので、その翌日、晴天の状態で、day light、加えてスポット測光で、近所を歩いてみました。人の言うレンズの特徴を探すよりも、実際に目で見た光景に一番近い状態を追及することにも意味がある、と思ったからです。












 ふむ。これはこれでよいのでは?

 驚いたのは、テッサ―タイプの描写力です。テッサ―系のレンズは、何本か持っていますが、使ったのは初めてです。切れが良い、かっちりした描写に、大変驚きました。

 A.W.B.の問題はともかく、いつかまた連れて歩きたいレンズです。


2014年10月13日月曜日

"Ekakta Mount Alliance are Go!" a.schacht ulm r travegar 105mm f3.5 (circa 1955?)


今回は、a. schacht (アルベルト・シャハト)のベローズ用レンズ、r travegar 105mm f3.5 です。

 このレンズには、奇妙な来歴があって。5年ほど前、「エキザクタ関係のガラクタ」という出品をオークションで見つけ、あまり安くもなかったのですが、出来心で落札。中には、黴臭いガラクタがたくさん。


 jhageeのカメラ、ツァイスのレンズ、このカメラは、惜しかった。


 schacht のレンズとカメラとか。いずれも、当時は興味がなくて、すぐに売ってしまいました。レンズも、汚れていたし。後は、angenieux の28mmとか(山崎レンズさんでのメンテナンスが必要)が入ってました。

 その中に、schacht のベローズ用レンズ、tragegar 105mm f3.5 が、novoflex のベローズに付いた状態で混ざっていたのですが、それは、売れずに手元に残っていました。それで、今回はこの子の出番が来た、というわけです。 

 饕餮は、実はベローズのコレクターでもあり、手元に10台ほど各種揃えていますが、このnovoflex のものは、とても小さく、持ち運びには便利です。ならば、と、愛用のボディバックにカメラ一式と詰め込んで、さあ出撃。


 ベローズ用レンズには、ヘリコイドはついていません。ですから、ベローズか、フォーカシング・ヘリコイドが必須なのです。105mmというのは、大抵のベローズ用レンズで、無限遠が出る最低ラインらしく、この半端な数値にも「なるほど」です。

 しかし、小さいとは言え、ベローズを装着したカメラを外で振り回すのは、ホールディング性に欠けます。


 以前のtravegon と同様の色味なのでしょうか。ちなみに、最近手に入れた、シャハトのレンズに関するデータ・シートによれば、このtravegar は三枚構成だそうです。

 ちなみに、trave- シリーズで一番レンズの枚数が多いのは、35mm f2.8 のs-travegon の7枚のようですが、初期の文献らしく、知られている全部のレンズが記載されているわけではありませんでした。

 さて、このtravegar は、引き伸ばし用レンズとしても販売されていたらしく、このシートには、それ用のレンズとして記載されています。なかなかの高級品だったらしく、数えてみたら、絞り羽根は16枚もありました。すごいね。

追記:大きなモニタで見ると、この色は「ひどい」。正しく、気味が悪い。このtravegar は、三枚構成である。以前にご紹介した travegon 35mm f3.5 は、6枚構成だったが、ここまで過剰ではなかった。また、経験値は低いので確信はないのだが、この色転びが顕著なのは、schneider では、4枚構成のテッサ―型のxenar であるように思う。もう銀塩写真は撮らないので比較はできないのであるが、デジタルの場合、逆にレンズ構成が少ないほうが、極端な描写になるような……気がする。少なくとも、今は。


 それで、作例ですが……。


 行き付けの居酒屋さんです。うん、良い感じ。schacht の色……ですが、105mmともなると、路地裏なので精一杯引いてこの程度です。他の人の敷地に、無断侵入してこのくらい。


 ちょっと表通りに出てみると。いや、ベローズを振り回す人は目立つためか、あんまり居心地がよくありませんね。さっさと退散。


 定点観測では、とてもよろしい。良い色味です。


 絞り込んでも、焦点深度は極めて浅い。




 それで、ベローズを振り回すのにも疲れたので、exakta のヘリコイド・チューブを手に入れました。


 日本製です。恐らくは未使用品。国内では、chiyoluck の名前で売られていたようです。いずれにしても年代ものなので、2本入手して、予想通り、一つはヘリコイドが固着していました。

 しかし……、こけしのような頭が(先端が)重い構成となりますから、ぶれまくり。あるいは、ピントが外れまくり。


 最長で、180cm程度までしか、ピントは来ません。厚みがありますから。


 手持ちなら、上体がわずかに揺れたりしただけで、ぶれてしまいます。


 虫さんにピントを合わせたはずが……。風が吹いただけでこの有様。


 絞り込んでも、深度が浅くて。あ、これは成功の例ですね。


 いや、これはきつい。


 屋外での撮影は、もうあきらめました。


 では、屋内で。三脚を使って、「ふち子」さんを。


 accura のヘリコイドだけだと、この程度。タナカカツキさんのデザインらしいですね。僕は、彼の本はみんな持っています。


 それで、schacht の純正エクステンション・チューブを装着。未使用品のようですが、薄いアルミで柔い感じ。


 今回は、ちょっとしんどかったのは確かですが、なかなか面白い経験をさせてもらいました。楽しかった。

 でも、もう君とはあまり遊ばないかもね!