何かを論じるにあたり、まずはその語原までさかのぼって考えることは、ある種の「はったり」として僕のいる業界にかかわらず良く行われることだが、シャハトの trave..... シリーズの場合は、あまり成功とはいえなかった。
軽く、事典やネットで調べたtところ、traveではなにも見つけることができなかった。travel については、「旅の苦労」(旅は苦労を含意している! なるほど)程度のことしかわからない。フランス語でtravel にあたるtravailについては、後期ラテン語でのtrepaliumという拷問道具から来たらしい。ラテン語だと tres(3)+palus(杭)だという。杖でもついて、三本足で旅に出たとか? 昔は、旅には苦労がつきものだったのでせう(以上は、別に読んでいただかなくても結構です)。
つまり、schacht のtrave... シリーズで鍵となるのは、「旅」ではなく、「三」という数字であろう。だって、昔所有していた75mm? のレンズなんか、軽かったけれども嵩張ったし、ベローズ・レンズのtravegar なんて、旅用とは思えません。であれば、レンズ用語で「三」は、なんだかトリプレットなのであろうけど、このシリーズが総てトリプレットなのか? そんなバニャニャ。
ということで、今回は、schacht の広角、travegon 35mm f3.5 です。
schachtは、albert schacht(アルベルト・シャハト)が創業した昔の西ドイツのレンズ・メーカーで、あまり資料は残っていないとか。schneider その他のOEMの制作も請け負っていたらしいけど、その他のことは、ここよりも学究的なサイトがあるので、そちらでどうぞ。
このレンズは、プリセット絞りで、シャッターを切る前に、黒い前枠を回して絞りを開放にして、ピントを合わせ、更にexakta 特有のピンを押してセットした絞りに合わせ……というギミックが満載。別に、そんな儀式に付き合う理由もないのですが、一応お遊びの写真なので。
なぜtravegon か、と問われたら、それは「甲殻」だからです! いやいや、50mm程度の標準を使っていると、視野狭窄みたいに感じて、なんだか気分が悪くなってしまいました。
それで、写りはどうかと言えば……、とてもよく映るレンズです。どこかの著名人や、レンズの研究者の方は、「怪しい写りのレンズ」と仰っていますが(「猫」や「森」)、そうなのかな? 僕が鈍いのでしょうか? しかし、先人の印象を検証するために、レンズを集めているわけではありませんから。そんなつまらないことは、もう御免なのです!
レンズは、撮影された写真で何かを語るしかないわけで(撮影者の腕も含め)、高名な方々のお言葉には、ちょっと食傷気味な今日この頃です。
上の写真、「森が森らしく写ってますね」。
「あ、太陽だ」。まぶしい(笑)。
「へへへ」。へへへって、なんだ?
花は、大好き!
これは、木漏れ日でしょうか?
誰もいない、水場。
埼玉県の遊園地。奇抜な色彩感覚ですね。
埼玉まで運転したご褒美に、おいしいネパール料理を。成城の、「マウント・フィッシュティル」です。ナンの代わりにチャパティを。手前は、ちょっと寄り切れなくて、ぼけてしまいました。
さらに、なんのご褒美でしょうか、夜は近辺で最高のお店で一杯。祖師谷の「きなり」です。なんだか、幻想的な絵になってしまいました。
左が、やさしい声の小倉さん。奥は、焼き場の凄腕、金津さん。
右奥は、頼もしい亭主、中村さん。
首都高、怖かったよう……。でも、美味しいご飯が食べられて、良かった良かった。
このレンズは、その独特な色合いが、僕の趣味にぴったりです。また、遊ぼうね。
このレンズは、その独特な色合いが、僕の趣味にぴったりです。また、遊ぼうね。