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2014年10月13日月曜日

"Ekakta Mount Alliance are Go!" a.schacht ulm r travegar 105mm f3.5 (circa 1955?)


今回は、a. schacht (アルベルト・シャハト)のベローズ用レンズ、r travegar 105mm f3.5 です。

 このレンズには、奇妙な来歴があって。5年ほど前、「エキザクタ関係のガラクタ」という出品をオークションで見つけ、あまり安くもなかったのですが、出来心で落札。中には、黴臭いガラクタがたくさん。


 jhageeのカメラ、ツァイスのレンズ、このカメラは、惜しかった。


 schacht のレンズとカメラとか。いずれも、当時は興味がなくて、すぐに売ってしまいました。レンズも、汚れていたし。後は、angenieux の28mmとか(山崎レンズさんでのメンテナンスが必要)が入ってました。

 その中に、schacht のベローズ用レンズ、tragegar 105mm f3.5 が、novoflex のベローズに付いた状態で混ざっていたのですが、それは、売れずに手元に残っていました。それで、今回はこの子の出番が来た、というわけです。 

 饕餮は、実はベローズのコレクターでもあり、手元に10台ほど各種揃えていますが、このnovoflex のものは、とても小さく、持ち運びには便利です。ならば、と、愛用のボディバックにカメラ一式と詰め込んで、さあ出撃。


 ベローズ用レンズには、ヘリコイドはついていません。ですから、ベローズか、フォーカシング・ヘリコイドが必須なのです。105mmというのは、大抵のベローズ用レンズで、無限遠が出る最低ラインらしく、この半端な数値にも「なるほど」です。

 しかし、小さいとは言え、ベローズを装着したカメラを外で振り回すのは、ホールディング性に欠けます。


 以前のtravegon と同様の色味なのでしょうか。ちなみに、最近手に入れた、シャハトのレンズに関するデータ・シートによれば、このtravegar は三枚構成だそうです。

 ちなみに、trave- シリーズで一番レンズの枚数が多いのは、35mm f2.8 のs-travegon の7枚のようですが、初期の文献らしく、知られている全部のレンズが記載されているわけではありませんでした。

 さて、このtravegar は、引き伸ばし用レンズとしても販売されていたらしく、このシートには、それ用のレンズとして記載されています。なかなかの高級品だったらしく、数えてみたら、絞り羽根は16枚もありました。すごいね。

追記:大きなモニタで見ると、この色は「ひどい」。正しく、気味が悪い。このtravegar は、三枚構成である。以前にご紹介した travegon 35mm f3.5 は、6枚構成だったが、ここまで過剰ではなかった。また、経験値は低いので確信はないのだが、この色転びが顕著なのは、schneider では、4枚構成のテッサ―型のxenar であるように思う。もう銀塩写真は撮らないので比較はできないのであるが、デジタルの場合、逆にレンズ構成が少ないほうが、極端な描写になるような……気がする。少なくとも、今は。


 それで、作例ですが……。


 行き付けの居酒屋さんです。うん、良い感じ。schacht の色……ですが、105mmともなると、路地裏なので精一杯引いてこの程度です。他の人の敷地に、無断侵入してこのくらい。


 ちょっと表通りに出てみると。いや、ベローズを振り回す人は目立つためか、あんまり居心地がよくありませんね。さっさと退散。


 定点観測では、とてもよろしい。良い色味です。


 絞り込んでも、焦点深度は極めて浅い。




 それで、ベローズを振り回すのにも疲れたので、exakta のヘリコイド・チューブを手に入れました。


 日本製です。恐らくは未使用品。国内では、chiyoluck の名前で売られていたようです。いずれにしても年代ものなので、2本入手して、予想通り、一つはヘリコイドが固着していました。

 しかし……、こけしのような頭が(先端が)重い構成となりますから、ぶれまくり。あるいは、ピントが外れまくり。


 最長で、180cm程度までしか、ピントは来ません。厚みがありますから。


 手持ちなら、上体がわずかに揺れたりしただけで、ぶれてしまいます。


 虫さんにピントを合わせたはずが……。風が吹いただけでこの有様。


 絞り込んでも、深度が浅くて。あ、これは成功の例ですね。


 いや、これはきつい。


 屋外での撮影は、もうあきらめました。


 では、屋内で。三脚を使って、「ふち子」さんを。


 accura のヘリコイドだけだと、この程度。タナカカツキさんのデザインらしいですね。僕は、彼の本はみんな持っています。


 それで、schacht の純正エクステンション・チューブを装着。未使用品のようですが、薄いアルミで柔い感じ。


 今回は、ちょっとしんどかったのは確かですが、なかなか面白い経験をさせてもらいました。楽しかった。

 でも、もう君とはあまり遊ばないかもね!