Translate

2015年5月31日日曜日

p. angenieux 90mm f2.8 type y12。


 「絞りは動かない。」という触れ込みのこのレンズを目にしたのは、メモによると4年ほど前。

 既に、28㎜を持っていたので、angenieuxはもういいかな……と思いつつも漫然と入札して、漫然と落札。このタイプのレンズは、exaktaに多くみられるのですが、プリセット絞りの仕組みがわかっていないと、不良品として扱われることも多かったようです。流石に今は?

 手元に届くと、案の定、絞りには問題はなく。レンズの汚れも、山崎レンズ様にお世話になって、きれいさっぱり。……にしてもそれから4年、放っておく自分の気持ちがわかりません。

 この近未来的なデザインは、前期型だとか。angenieuxともなると、マニアの方々が多いので、そこは今回は割愛します。横目で調べたところだと、4枚4群のエルノスタータイプのレンズ構成なんですって。そうかそうか。


 angenieuxと言えば、軟調でコマフレアが出て……というのは、rで始まるレトロフォーカスのお話で、このレンズの特徴は、どぎつい色の氾濫、みたいですよ? それゆえ、工事現場のカラーコーンが最初に登場するわけです。あれあれ。一日目は、開放で。


 割合固い描写で、ふんふん。


 コントラストが高い場合も、暗い部分に諧調が残っているのは、噂の通りでしょうか。


 影が、青に転ぶのでしょうか?


 なるほど。


 このような樹木も、あったのですね。


 このレンズにも、幽霊がいるようです。

 さて、二日目は、半分まで絞り込んでいます。


 みすぼらしい草。もう少しで梅雨ですね。





 早く大きくおなり。


 キジバトの、ズッポちゃん。


 ちょっとピンボケ。動かないでよ。


 というようなわけで、レンズが重たい割には、あんまりな感じでした。

 今日は、これでおしまいです。


2015年5月5日火曜日

a. schacht munchen, travenar 85mm/f,2.8 (exakta mount) ゴースト・イン・ザ・レンズ。


 
 さて、とある朝。しかも早朝。

 奥様に「今日は別荘(の予定地)に行く」と宣言されて、慌ててカメラとレンズを用意したのですが、汎用性のある標準レンズは今一つで、結局はこのミュンヘンの85㎜がお供となった次第です。実は、もう一つのexaktaの標準レンズが、無限がでなかったから。

 とは言え、85㎜はあんまり日常風景には向いておらず、とは言え、奥方をポートレイトにするのも憚られ、月並みな風景写真が主になりました。



 朝5時です。お向かいの別荘から、朝日が……。

 開放です。焦点深度が浅い、とは言え、ちょっと汚い感じがします。


 朝日。


 うー。開放で撮ったのがいけなかったのでしょうか。変な絵。というか、汚い。


 ここからは、半分程度絞り込んでいます。もちろん(?)、無限遠は出るのですけど。出ない個体もあったりして、もう困ります。


 花は、ちょっとぼんやりしていますね。ざわざわしている。


 マリア様。veni sancte spiritus。こういう絵は、なかなか見られます。


 曇天のためか、どんよりした絵が好みなようです。ですが、うーん……。


 オレンジとつつじ。まあまあすてきかな? しかし、どうも満足が……。



 拡大すると、ザワついていて、満足できません。

 それで、以下は絞り込んでみようかと思います。


う。まあまあ良い感じ……かな?




 色が、ちょっと変???




 お気に入りの花崗岩が……。


 22まで絞っています。


 半分程度に絞って。


 もう少し開放。


 これで開放です。

 絞っても、ぼけ味はあまりきれいではありませんね。


 どうやら、このレンズの中には、幽霊(ゴースト)が住んでいるようです。きれいだなあ。


2015年5月1日金曜日

Travenar 85mm, 90mmの種類。


 左から、ミュンヘンのLTMの85㎜、ミュンヘンの85㎜のexakta、カメラに嵌めてあるのは、ulmの90㎜のexaktaです。

 ミュンヘン時代のschachtの85ミリは、LTMで十分と思っていたのですが、海外のオークションを眺めていると、ミュンヘンのexakta、m42の85ミリ(しばらく手を出せませんでした)、ウルムのタイプⅠの85ミリ(ウルムかあ、と思って……)、それからタイプⅡ以降の85㎜等々があって、どうしたのでしょう。

 レンジファインダー用のレンズは、距離計との連動の必要があるため、このような長さになるのでしょうが、他のマウントに比べてあまりにも長さが違う=レンズ構成が違うことは明らかです。

 そういえば、読み飛ばした個所に、ミュンヘン時代に「レンジファインダー用のものと、一眼レフ用のレンズの製造ラインを分けた」という記述があって、「どういうことかな???」と思ってはいたのですが。また、「schachtは、85ミリのレンズを温存していた」、という個所もあり、こういうことだったのか! とは思いましたが、まだその理由は十分に分かっておりません。

 写りが違うのかな?

 明日から、少々遠出しますから、exaktaの2本は、持って出ようと思います。うーん。

 

Travegar 100mm/f3.3, exakta mount alliance are go!


 主に、ミュンヘン時代のschacht を探していたのですけれども、他にもいろいろとulm時代のレンズがレーダーに引っかかってきます。travegar と言えば三枚三群構成の、純正のトリプレットですね。トリプレットには、何度か美味しい写真を頂戴しましたので、今回もちょっとワクワクなのでした。



1962年~1963年。
 Travegar 199mm/f3.3。最少絞り値22、最短撮影距離0.9メーター、302グラム。

 シャハトの105㎜の焼付用レンズである105㎜を改変したもの。先端部を分離して、m42マウントのベローズに装着できる。と書いてあります。

 上の作例は、開放で撮影したもの。前後のボケも、自分には好ましいものに見えました。


 だれだか分からないから、大丈夫かな。


 ふむふむ。シャープで、僕の好みです。


 気味が悪い、などとは言えないですね。


 腰痛の身には、かがまなくてもお花が撮れるのはありがたい。


 この質感は……。シャハトには、シャハトらしさが確かにある、と言えるでしょう?


 路傍の小さい花。


 個人的には、コントラストが高い絵が好みです。


 そういう季節ですからね。



 最後は、say it with flowers。

 これは、とても良いレンズだと思いますヨ?


2015年3月22日日曜日

S-Travegon 35mm/f2.8 無限遠がでない……! が。



昔ご紹介したパンフレットの裏に、レンズの枚数を記録したものがありましたが、そこでは、S-Travegon 35mm/f2.8が、7枚3群として、最多の枚数を誇っておりました。



p87

1961:より明るい広角レンズ(訳注:シャハトの引退後)
 1961年の初頭から、シャハトは、既存のTravegon 35mm/f3.5 (6枚3群)に続いて、135ミリカメラ向けの、より明るい7枚のレンズからなるS-Travegon 35mm/f2.8 (7枚3群)を追加した。最小絞り22、最短撮影距離0.5メートル、194グラム。

 この、ベルテレによって計算されたトリプレット構造のレンズは、スクリューマウント、あるいはEdixa/Praktica/Pentacon/Exaktaといったバヨネットマウントで利用することができたが、加えてPraktina IIa にも供給された。Praktina用のS-Travegon は明らかに機械的に変更されていたが、なぜなら普通のM42用のこのレンズとは、絞りの回転方向が反対になっているからだ。


とあり、これもベルテレの設計とされていますが、根拠は明示されていません。

翻って、普通の(?)Travegon 35mm/f3.5を見ると、



 少し違いますね。しかし、「枚数の多いことは良いことだ」と信じる饕餮にとって、これは、見逃せないアイテムなのです。甲殻だし(へへへ)。

 ということで、海外の市場を見張ること数日、なんと、その激情のあまり、3本も入手してしまうことになります(ものすごく安いものも、ある程度の値段だったのもありました)。

 さて、試写だ! ということで、α7sに国産のexaktaのアダプタを介してレンズを嵌めてみたら……。無限遠が出ません。

 フーン、と思ってもう一つのexaktaマウントのレンズを嵌めてみたら、これも。

 さて、どうしよう。以前、山崎レンズ様に、10メートルまでしかピントが届かないangeniaux を持ち込んだとき、内部の部品を0.1ミリほど削っていただいて解決したことを記憶していて、これは、マウント・アダプタを0.1ミリくらい薄くすればよいのだな、とは思いましたが……。

 これは単純に、レンズと接するマウント面の金属プレートを外し、プラスティックのボディをやすりで研いだら、とは思うのですが、それよりは、海外製のオーバーインフ気味の製品にするほうが簡単かな、とも思いつつ。しかし、α7sの金属製の爪にははまらない、という噂もあり。

 結局、三晃精機さんのライカLM→ソニーαのアダプタに、なぜか家に転がっていて使い道のなかった極めて短いnovoflexのexakta→LMのアダプタを連結してみましたら、見事に短く(2ミリほど)なって、無限遠がでるようになりました。おめでとうございます。この写真は、家内が持って行ったカメラ撮影用のカメラが戻ってきたら、アップしようと思っています。



 しかし……、その報いとして、0.3メートルまで寄れるはずのレンズなのに、1,5メートル程度しか寄れない! 絞り込んでも無理! というのが現状ですが、それでも良ければ以下にお目にかけます。



 あいにくの曇り、芦花公園は、隠居したら住みたいような閑静な街並み。しかし、ちょっと不便かもしれません。


 錦鯉。


 この日も、曇り空。しかし……。

 個人的には、レンズは、これだけ良く写ったら、もう充分なのですが。


 やはり、快晴の日が好きなのですが。


 おお。無限遠はでますね。


 近場は、やはり不得手なようです。遠景のボケ味は? まあ、こんなものでしょう。


 良い色合いのようです。


 まあまあ?


 schacht の色合い、のような気持ちがします。